「ちょっといないうちに、オレも落ちたもんだな」 突如響いた、その声。 (え…?) エックスは思わず我が耳を疑った。 だが、聞き間違えるはずがない。 なぜならそれは、エックスが一番耳にしてきた声だったからだ。 そして、ずっと頭の中で反芻していた声だったからである。 (まさか…まさか!) エックスは逸る心を押さえ、恐る恐る、ゆっくりと後ろを振り返った。 「…ゼロ?」 そこにいたのは、間違いなく自らのよく知った、本物の赤きイレギュラーハンターだった。 「ゼロ、"やっぱり"生きていたんだね!」 彼の姿をその目で確かめると、エックスは満面の笑みを浮かべた。 だがしかし、確かに笑顔なのだがどことなく黒く見える。 それを見たゼロはなんとなく違和感を感じながら、しかしいつもの調子で話し始めた。 「エックスだって生きてるじゃないか。大体シグマごときにやられて……」 そこまで言って、言葉を切る。 ついさっき、(多分)笑顔で自分を迎えてくれたエックスが俯いていることに、ゼロは気が付いたのだ。 しかも、彼は小さく肩を震わせている。 「エックス…泣いているのか?」 思わず片手をエックスへと伸ばしながら、ゼロはそう問いかけた。 「な、泣いてなんか…」 顔を上げたエックスは、額に青筋を浮かべながらゼロの胸元へと飛び込む。 「泣いてなんかいるわけないだろうがぁぁああああ!!!!」 衝撃で意識が霞みかけ、それから後は、ゼロはキレているエックスが何を言っているのかは理解できなかった。 でも、構わなかった。いや、マゾとかじゃなくて。 エックスがこんな反応を見せるのは自分に責任があるのだと、ゼロには痛いほど感じることが出来たから。というか、実際痛い。 それと同時に、片時だろうと彼の傍から離れ、彼をこんな風にしてしまった自分を物凄く責めた。 エックスが落ち付くまで、ゼロは軋む体に鞭を打ち、エックスの前で立っていることしか出来なかった。 やがて感情の高ぶりが納まってきたのか、エックスは比較的ゆっくりと話し始める。 「探したんだ、一応。君のこと。でも、何も見つからなかった」 「…し、心配かけたようだな…?」 「まさか。おれ、解ってたから。君は、絶対に死んでないって! だって君は、おれよりも人気があるから。誰よりもカプ○ンが君のことを大事にしてるから。だから、例えデータ反応がなくったって、パーツが見つからなくったって、おれには解ってたよ! 君は絶対復活するってね!! 作者も君を使うつもり満々だし! おれ、即効レーザー研究所に派遣されたんだから!!!」(ごめんなさい、最後のは実話です) その言葉に、ゼロは込み上げる様々な感情を押さえられず(主に哀しさとか後悔とかやるせなさとか)、ただ静かに言葉を零した。 「エックス…オレが(?)悪かった…」 怒りで赤く染まっていた顔に手をあて、エックスは未だ上がったままの息を整える。 そして初めて見せる、背筋の凍るような笑みを浮かべたのだった。 「じゃあ行ってくれ、ゼロ。君一人で戦ってくれ」 「行くぜ『エックス』…。ナイトメアをぶっ潰してやろう……」 傾き掛けた夕日が赤く染めた空に、エックスが去って行く足音が響いた。 ゼロの、己の背にあるZセイバーに向けた、哀しすぎる呟きと共に。 END? こちらは、ギャグでイタイ再会です(笑)。会話は、一部ゲームより引用させていただいております。 こ、こうゆうの好きなんですよ。同じシーンを全く別なパロディーにしてみるの。 …エックスよりゼロの方が人気がある、というのは捏造です。どっちが人気があるかなど、私には判りません。 カプ○ン様に喧嘩売ってるわけでもないんです。ちょっとした冗談なんです…(ガタガタ)。 よろしければ、「A」と読み比べてみてください。一応、表現など凝っております(笑) 桐屋かなる 2005.12.15(2005.5.12 改訂) |
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